シルクロードの真珠ヘラートに到着

 イラン第三の都メシェッドから1000キロ国境をこえてアフガニスタンのヘラートに到着した。herat
ヘラートは紀元前4世紀のダリウス、アレグザンダー大王の時代からの都である。10世紀のイスラムの詩人モスタウフィ・クワズウィーニはへラートを称して”シルクロードの真珠”と言った。中央アジアをいくとしみじみと想う。行く先々の崩れかけた遺跡やモスク、城跡、砂にうずもれた都市の跡 何千年の人間の欲望とその結末が眼前に横たわっている。”夏草やつわものどもが夢のあと””盛年不重来 一日難再朝 及時当勉励 歳月不待人”芭蕉と唐淵明の詩が浮かぶ。”若い時は二度とやってこないし、一日に二度の朝もない。楽しめるときに思い存分楽しむことだ。時は人を待ってはくれないのだから。”                      事の盛衰はまさしく中央アジアの歴史そのものであった。ダリウス、アレクサンダー大王、イスラム セルジュク、ジンギスカーン、16世紀ウズベグ、19世紀アフガニスタン、大英帝国の占領、20世紀のソヴィエト、1995年からタリバン、2001年9・11世界貿易センター爆破 同時テロとオサマビンラディンからアメリカによる占領。現在今の時点でも歴史の風雪のまっだだ中にいる。
 9・11事件はまた奇妙な噂をも醸し出している。それはグリーンペイパーと呼ばれるドル紙幣の謎である。
 手元にドル紙幣があれば試してみるといい。5ドルと10ドル紙幣を折り紙にすると5ドル10ドルは印刷されている世界貿易センターが炎上しているように見え、20ドルと50ドルは崩壊、100ドル紙幣は崩壊した跡のゼログラウンドとなっている。また20ドル紙幣をジャバラ折するとOsama Bin Ladinの名前が浮かぶというのだ。この非科学的噂までユダヤとイスラムの戦いだというのであろうか。
 我々3人はこの戦乱の歴史のなかでシルクロードの真珠とまでうたわれたヘラートにわらじを脱いで二・三日の休息をとった。ヘラートを出るとカンダハールまでのアフガニスタンの砂漠横断の旅が待っていた。