テヘランの記憶

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テヘランではどういう理由か思い出せないが、たしか市内の中心で当時百貨店があった目抜き通りの斜め向いにあった商社を訪れた。商社の駐在員が親切に対応してくれた。その上、同社のイラン人の従業員を紹介してくれてテヘランの街を案内までしてくれた。1960年代のことだから半世紀前である。
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 来訪する日本人も少なかったに違いなかった。30代半ばの紳士的イラン人の名前を覚えていないが自宅にまで招待されて夕食をごちそうになった。こちとら若気の至りでさまざまな不躾な質問をしてしまったのを覚えている。
 
 夕食をつくってくれた奥さんに、次から次にこれはなんですか?なんの料理ですか?と言う類の質問ばかり。困った奥さんが助けをご主人に求めた。ご主人は我々に対峙して突然説法をはじめました。

 「イランの料理の基本は。。。」ついに大上段からの講義が始まりました。

 「そもそも古代文明では、料理は生存のための芸術でした。メディカル、哲学、文化が互いに影響し合い生み出されたものです。イランでは料理技術の基本は、血液の浄化=温、冷静=冷、陰鬱=乾、陽気=湿の4要素を組み合わせてつくりあげています。温と冷の概念はゾロアスター教に由来するものです。」話す内容と言い方とでますますテンションがあがってきた。

「まず、食材には温属と冷属が存在します。温属と冷属とを調和させて料理をつくることが大切だとゾロアスター教は教えています。」

「温属に属するもの:家禽類、麦、砂糖、ある種の野菜、果物 」

「冷属に属するもの:牛肉、魚、米、乳製品、大部分の野菜」

 例えば目の前にある料理はマストキアールというサラダだが、ヨーグルトが冷属、ミントが冷属、あとの野菜 キューリ、タマネギ、乾しぶどう、胡桃が温属。

「どうですかわかりますか?」
 
 一同ただただ頷くのでした。「こちらはご飯とさくらんぼで味付けた鶏の料理でアルバロポロどうですか 絶妙な調和ではないですか。」
 
「飲み物はアルコールは抜きですが、お茶、ドゥールというヨーグルト飲料、メロンジュースがあります。」                                       
 中でもざくろは特においしい飲み物でした。え!あのざくろが!と思う方に説明です。ざくろをイランではこうして飲むのです。まず大きなざくろの実を良く洗います。周りの皮を丹念に親指で何度も押します。決してあせってはいけません。丁寧にやさしくです。そうするとざくろは柔らかい赤い玉となります。内側からさわさわとざくろのジュースの音がします。皮の一箇所に楊子で穴をあけてチュウチュウと口をつけて吸うのです。ですからざくろは飲むのです。

 食事の会話で打ち解けた我々は食後ご主人とイスラム的生活についていろいろな会話をしました。イスラムのさまざまな戒律、習慣、宗派、についてでした。その中で印象的で今でもしっかり覚えていることがあります。イスラム的性の考え方です。 
 街を歩くと多くの女性が顔をベールで覆っています。イスラムの戒律は厳しい。若者の性はどうなっているのか質問したのです。ご主人は答えました。
 
 アラーはこう言っています。「姦淫するなかれ。姦淫は下品な行為である。」イスラムでは性の衝動は常に結婚と共になくてはなりません。男は15歳、女は9歳から結婚が可能となります。結婚前の姦淫はイスラム法では鞭打ち100回、懲りずに4回すると死刑。マスターベーションはイスラム法では下品な行為であり、してはならない行為です。衝動を抑圧するには下の毛をそることです。育毛は性欲を増すと考えられています。ホモとレズにはもっと厳しい。結婚していないアクティブパートナーには100回の鞭打ち、パッシブパートナー厳罰。結婚している同性愛者は死刑。
 現代日本にイスラム法を適用するとどうなるのでしょうか?